「任天堂、マジコン業者を再び提訴」 に思う

『清濁合わせ飲む』の心意気。 そんなことを思った。
 
任天堂、マジコン業者を再び提訴 - ITmedia Gamez
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任天堂が新たにマジコン業者を提訴した。先月(10月5日)とは別の業者が対象だ。
こういった問題に対する任天堂の厳しい姿勢は今に始まった事ではない。オールドゲーマーなら、任天堂FBIと一緒にドアを蹴破って海賊版ドンキーコングを駆逐した話を思い出すだろう。
 
マジコン登場以前にも類似のツールは存在した。バッ活に知られるような「マニアの遊び」を助長させる書籍もあった。
昔の「マニアの遊び」が問題なかったとは思わない。しかし、近年のマジコンの普及状況は昔のソレとは明らかに異なる。非常にカジュアル(一般化)になっている。
TSUTAYAの雑誌棚には分かり易いその手の指南書が多数並んでいる。
街を見れば小学生がマジコンを手にしている。 彼らに買い与えたのは親か? ROMイメージをどこで入手している? リビングのPCか?
 
著作物に関する法整備も進められている。類似ツールの「汚濁度」は益々高まっている・・・。
 
マジコンは『濁』だ。(正しくはマジコンの使われ方が濁、か)
エンドユーザの多くは「濁」に不感症になっている。濁を濁と思わずに、濁と知らずに飲んでいる。
 
ゲームに限らずサブカルを楽しむ上で『清濁合わせ飲む的心意気』は欠かせないと思う。受け手だけでなく送り手にもだ。細微末節にまでパクリだと言われては(言っては)創作活動など出来やしない。
でも、それは大変身勝手な考えでもある。「濁」の程度を測るのは自身なのだから。罪の意識を希釈し、自らを正当化していく・・・。
ならば、せめて、『濁を濁として飲む』
マジコンを使うならば、ゲロ以下の臭いがプンプンするその認識のまま飲み込む。
窃盗(ROMイメージを使用)をするたびに、汚濁に身を沈め、罪の意識を重ねる。
 
これまで任天堂は「濁」を(全てでは無いが)飲んでいた。
でも、コレは飲めない。いや、飲みきれなくなった。
被害総額は全世界で3000億円を超すとの試算もある。昨年7月からの任天堂の対応は至極当然のこと。むしろ遅きに失したと思えてならない。ここまでマジコンが一般化する前に手を打つべきではなかったのか。
ここからチョイと妄想を加速。
マジコンの受益者は業者ばかりではない。デジタル窃盗を繰り返すエンドユーザも同様だ。
業者への一連の法的措置は、そんなユーザにも冷や水を浴びせる(警察は横っ面を張るかもしれない)。
ユーザを大切にしてきた任天堂としては躊躇してしまい、ズルズルと対応が遅れた・・・、と。
任天堂を擁護しすぎか(笑)。
まあ、御目こぼしの範疇(マニアの遊び)を超えちゃった、ってことなンだよなぁ。

マジコンのようなツールは大好きだ。しかし、市井のアマチュア開発者からなる楽しみ方を外れ、簡便なコピーツールとして一般化してしまったマジコンの有りようは是正されるべき。出来れば民間レベルでの手打ちが望ましいのだが、残念ながら無理っぽい。
総務省警察庁は、ネット規制や防犯法令のとっかかりの一つとしてきている・・・。
 
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