映画DVDのコピーを推奨? アスキードットPC 2010年1月号

アスキードットPC、たいていノーチェックなのだが1月号は非常に気になっていた。先月(12月号)の次号予告に、
映画DVDもらくらくバックアップ! DVD&CD完璧コピー&記録術
とあったからだ。
どちらかと言うと体制寄り、MSべったりなこの雑誌がどんな記事にしたのか? 図書館へ行ったついでにチェック。
 
特集を要約すると『DVD Shrinkの使用手引き』ってところ。
・DVD Shrink を用いたDVD-videoのISO化(6ページ)
・DVDFab HD Decrypter を用いたDVD-videoのISO化(2ページ)
DAEMON Tools を用い、ISOをDVD再生ソフトで再生(2ページ)
・ImgBurn を用い、ISOをDVD-Rに書き込み(2ページ)
 
キモの著作権については、特集の最後に塩田紳二氏のレポ(2ページ)があった。
◎映画DVDのバックアップは違法?
・簡単な著作権保護の説明。
・「私的使用」であればコピーできる。>他人が著作権を持っている市販DVDであっても「私的使用」のためであればOK。
コピーコントロール技術を解除してコピーを行うことはできない。
・市販DVDビデオのCSSは「コピーコントロール」技術ではなく、「アクセスコントロール」技術だとする解釈が一般的である。なので、私的使用のためのコピーでCSS解除することは可能とする意見が世間では多数を占めている。
 だから、市販DVDに組み込まれているCSSなどのアクセスコントロール技術を解除することは”おそらく”問題ない〜

正直驚いた。記事の雰囲気が「さあ、じゃんじゃんコピーしちゃおうZE☆」なのだ。
リッピング方法としてDVD ShrinkだけでなくDVDFab HD Decrypter(コピーコントロール技術であるARccOS等の除去が可能)も紹介するとは・・・。他にも、ISO→DAEMON Tools→再生ソフトの説明で「DVDを再生」と表現しているし。
 
塩田氏のレポもどこと無く歯切れの悪い印象。いわば雑誌のアリバイ頁なのに”おそらく”って。
それとは別に、レポ中「CSSを解除することは可能〜」とあるが、『解除』では改変にあたらないかな? 言葉としては『回避』が適切かな、と思うンだけれど。

DVD-videoバックアップにおけるリスクや諸々の問題について、もっと突っ込んだ記事も欲しかったかな、と。この雑誌の読者層のメディア・リテラシーはどの程度なんだろ・・・。
あっ。もしかして 改正著作権法が成立--2010年1月以降は違法複製物のダウンロードも禁止に への婉曲な抗議なのかも。って無いかぁソレは。
 
★技術的保護手段と現行法について : 文化審議会著作権分科報告書(H18年1月)P.72-75
http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/pdf/singi_houkokusho_1801.pdf

CSS(Content Scramble System):DVD-Videoのコピー防止用暗号化規格
=コピーコントロール:コンテンツの無断複製を技術的に防ぐ手段
=アクセスコントロール:放送のスクランブルなどコンテンツを暗号化し視聴を制限する手段
 CSSコンテンツの無断複製防止を目的としたアクセスコントロール技術(”言わずもがな”なのだが、塩田氏のレポはこの目的に関する記述が微妙にボケていた感じ)