祝!地球帰還 「はやぶさ」 おかえりなさい!

小惑星探査機「はやぶさ」が地球に還ってきた!
 
カプセル分離、大気圏再突入、予定どおり行うことができた。残念ながら「はやぶさ」による最後の撮影(カプセル分離=>再突入までの間)は叶わなかったらしい。
カプセルはオーストラリア・ウーメラ立入制限区域(まるごと軍事施設の砂漠)に着陸。カプセルからのビーコンで確認する限りでは、無事パラシュートを開き、軟着陸したとみられる。
回収は日米豪の合同チームが行い、密閉措置をした上で(中身が漏れない&中に何も入らないように)日本へ輸送。カプセル内の確認は日本で行われる。
サンプル回収の成否は、まだちょっとの間おあずけ。
 
そして「はやぶさ」は、
「彼」大気圏再突入で燃え尽きた。 文字どおり、流れ星になった。
そのさまをニコニコ生放送の中継で見ることができた。
曇天の夜空を照らす姿に、思わず声を上げた。

現地特派員 「あっ、光った!」

現地特派員 「すごい、すごい。」

現地特派員 「ああ、カプセルの……、火の粉が見える……」

「彼」が燃え尽きるまでに得られたデータは、今後の隕石や人工衛星の研究に使われる。安っぽいロマンチシズムではないのだ。

正直、ネット配信程度の画質で火球を見られるとは思っていなかった。事前のJAXAの発表では「マイナス5等星ほどの明るさ」(金星と同等?)とあったから。現地に飛んだ”尻P”ら特派員の頑張りに感嘆……。
 
日付が変わろうかという頃、JAXA管制室から中継終了のメッセージ。

関係者の方、ひとまずお疲れ様でした。
 
予想通りと言うか、やっぱりJAXAの中継が繋がらなかった。あとNECNASA(!)もw サーバが落ちたわけではないようだが。 ニコニコ生放送は激重。 対して、和歌山大学USTREAMは軽かった。システム的なものなのか、単に知名度の差か? 管制室の中継は有志によるUSTREAMの転送でみた。
 
明けて14日1時頃、JAXA光学班の写真がツイート。 はやぶさ帰還ブログ

< Hayabusa public relations team 6/14 00:38 (JST) >
JAXA would like to send the image of fireball by GOS.
すごい。
2つの火球、2条の尾がはっきり分かる。
現地特派員の「火花が……」の言葉どおりだったのだろう。日中だったら流星痕(?)も見えたのかも。
 
この地球帰還劇、イヤな言い回しをすれば「見栄えのする天体ショウ」になった。大手マスコミも取り上げることだろう。宇宙開発事業、次の実験へのはずみになれば、と思う。
 
カプセルの解析が楽しみ。きっと500点満点を達成できる…と思う。いやまあ、現段階でも実験は成功と言っていいはずなンだけれどさ。
 
何はともあれ、とにかく「彼」は還ってきた。
はやぶさ、おかえりなさい。
 
 
追記;
NASADC-8ジェット機)が撮影した「はやぶさ」再突入の映像が公開された。ばらばらに燃え尽きる「はやぶさ」と、「はやぶさ」が燃え尽きた後も落下を続ける回収カプセルの様子を見ることができる。

大きく火の粉を曳いているのが「はやぶさ」。右下の小さな火球が回収カプセル(赤丸内)。
YOUTUBEやニコ動など動画サイトにも転載されているが、やはりNASA公式のオリジナルが美しい。
HayabusaRentryVideo.mov(43.2 MB) [around 13:55 - 15:00 UTC = 9:55 - 11:00 a.m. EDT]
http://airborne.seti.org/hayabusa/